もともと文系の政治学科を卒業後、IT企業に新卒で入社し、4年間勤務した後に日立F&Lに経験者採用で入社しました。前職の話にはなりますが、文系からプログラマー職に就くにあたって苦労したのがプログラミングでした。暗記中心の文系の勉強の方法と異なり、ロジックを理解した上で設計書に沿って組み立てていく数学的な考え方に慣れるのが大変でした。
作業者としてひたすらプログラミングに取り組んでいく中で上流工程に興味を持ち、上流工程の多い日立F&Lに転職しました。転職をして感じたことは、一概には言えない部分もありますが、上流こそ文系の方が向いているということです。お客様との折衝や要件確認を行う際には、ITに詳しくないお客様にも分かりやすい表現で話したり、お客様の課題を引き出す聴く力であったり、自身の人間性をアピールする上でも、コミュニケーション能力が大切になってくるからです。
あとは、プログラマーというのはシステムを形にするために手段を磨く必要があると思うのですが、上流工程のSEは目的に対する嗅覚を磨く必要があり、そこでの視点が全く違うと思いました。
他にも、日立F&Lは多種多様な人がいて、共通しているのは皆さん寛容だということです。それぞれ性格や考え方などが違うからこそお互いを尊重している気がします。自分にはない観点を否定せずにしっかり受け止めてくれる方が上司も含めて多いと思います。
私たちのお客様が取り扱っている商品は、スーパーに行くと必ず目にするものばかりです。それが当たり前のように店頭に並んでいる、その実現のため一翼を担えるというところに魅力を感じています。「食品」は人々が生活する上で必要不可欠で、それを届けるためには今導入している基幹システムも必要不可欠です。いわば社会に欠かせないインフラを支えているという点がやりがいにつながっています。
現在はリーダーとしての役割が多く、プロジェクトの推進・管理と若手育成を行っています。プロジェクトの最初に上流で緻密な方針と計画を立て、それに添ってチーム全体が動いていきます。手戻りやスケジュールの遅れが一切なく予定通りに進んでいると、最初に上流で組み立てたことが下流に引き継がれて、無駄なく動いているのが実感できるところに楽しさがあります。プロジェクトが円滑になるように定期的に会議を設けたり、雑談を意識的にするようにしています。心理的なハードルがあるとなかなか相談しづらいと思うので、冗談を言って早く仲良くなることを心がけています。
今一番大きなプロジェクトでは20人のメンバーがいて、とにかくその20人の業務が止まらないように常にアンテナを張り続けています。何かトラブルがあって作業が止まると20人分のコストが無駄になってしまうので、チャットツールやメールも含めてチームの状況をつぶさに把握して、何か起こったらすぐ対処しています。
お客様との折衝の中で要件定義を行う際は、お客様が何をやりたいのかという目的を常に意識するようにしています。方法論から話が始まることがありますが、そのような時は改めて目的を伺いし、本当にお客様に有益なものは何かを考えることを大切にしています。その上でより良い手段を提案することが、より良いソリューションを提供するということだと思っています。
以前、物流センターの引越しに関わる大型案件に携わった時のことです。様々な会社の在庫情報が、メーカーによってはかなり癖のあるデータ構成になっていました。最初はそれも引越し先の物流センターで再現しなくてはならないのかと悩んでいたのですが、お客様にデータ項目の意図や目的を確認していく中で、必要なものだけ移行すれば良いということが分かって、そこにたどり着けてからは順調に計画を立てることができました。IT業界はスマートに思われがちですが、汗をかきながらお客様と会話を積み重ねていく、泥臭い部分も大事だと思っています。
今は、既にあるシステムに手を加えたり、移行したりする仕事が多いですが、小さい時からものづくりが好きだったので、創造性を発揮して基幹システムを構築したいと思っています。例えば、お客様が新しく始める業務に合わせて役に立つシステムを一から作りたいという想いがあります。
オフタイムの過ごし方
ギターが趣味で、最近はブルースのギターソロをずっと練習しています。30歳を過ぎてからはワインに興味が出て色々と勉強しています。2022年に子供が産まれた後、1ヶ月間の育休を取りました。上司や同僚も育休を取得していて、「遠慮しないでいいよ」と声をかけてもらったり、育休後も基本在宅で業務ができるようフォローしていただきました。